II-VI INFRARED: チュートリアル:IR光学部品の修理と手入れ

チュートリアル:赤外光学部品の修理と手入れ

赤外光学部品の修理と手入れ

赤外光学部品を取り扱うときは、最大限の注意を払う必要があります。以下の対策に注意してください。

  • 光学部品を取り扱うときは、必ずパウダーフリーの指サックか、ゴム製/ラテックスの手袋を装着してください。皮膚の汚れや油脂は光学部品を極度に汚染し、性能が著しく劣化する原因となります。
  • ピンセットや爪ようじなどの光学部品を操作するツールを使用しないでください
  • 光学部品は、必ず提供されたレンズティシューの上に置いて保護してください。
  • 光学部品を硬いまたは粗い面に絶対置かないでください。赤外光学部品は、引っかき傷がつきやすくなっています。
  • 金や銅は手入れをしたり、触ったりしないでください。
  • 赤外部品に使用される材料は、単一結晶か他結晶か、大粒か微粒子かにかかわらず、すべて壊れやすいものです。ガラスほど強力ではないため、ガラス光学部品で通常に使用される手順に耐えられません。

マウント光学部品の手入れをするときに問題が生じるため、ここに記載されている手順は、非マウント光学部品にのみ実施することを勧めます。マウント光学部品に手入れを実施しなければならない場合、イタリック体で[ ]に記載されている指示を参照してください。マウント光学部品の手入れを行うとき、余分のステップを実施しなければなりません。

ステップ1-軽度汚染に対するマイルドな手入れ(ちり、糸くず)

手入れのステップに進む前に、エアバルブを使用して光学面から遊離性汚染を吹き払います。このステップで汚染が排除されないときは、ステップ2に進みます。

注:
作業場の送気管は、かなりの量のオイルと水が含まれていますので、使用を避けてください。このような汚染は、光学面に有害な吸収膜を形成する可能性があります。

[マウント光学部品には、追加のステップは必要ありません。]

ステップ2-軽度汚染に対するマイルドな手入れ(汚れ、指紋)

未使用の綿棒か脱脂綿をアセトンかイソプロピルアルコールで湿らせます。湿らせたコットンで表面をゆっくり拭きます。強くこすらないでください。脱脂綿から液体が直ちに蒸発する程度に表面全体をふいてください。こうすれば、筋が残りません。このステップで汚染が排除されないときは、ステップ3に進みます。

注:
軸が紙の100パーセントコットンの綿棒と高級脱脂綿のみを使用してください。

試薬用アセトンとイソプロピルアルコールを勧めます。

[マウント光学部品に必要な追加のステップはありません。]

ステップ2-軽度汚染に対するマイルドな手入れ(汚れ、指紋)

未使用の綿棒か脱脂綿をアセトンかイソプロピルアルコールで湿らせます。湿らせたコットンで表面をゆっくり拭きます。強くこすらないでください。脱脂綿から液体が直ちに蒸発する程度に表面全体をふいてください。こうすれば、筋が残りません。このステップで汚染が排除されないときは、ステップ3に進みます。

注:
軸が紙の100パーセントコットンの綿棒と高級脱脂綿のみを使用してください。

試薬用アセトンとイソプロピルアルコールを勧めます。

[マウント光学部品に必要な追加のステップはありません。]

ステップ2(代替メソッド)「ドロップアンドドラッグ」-軽度汚染に対するマイルドな手入れ

(注:「ドロップアンドドラッグ」メソッドは、II-VI赤外部品が推奨する手入れ法ではありません。)

光学面にレンズティシューを置きます。点眼器を使って、アセトンを数的レンズティシューの上に絞り、光学部品の直径を完全に湿らせます。

レンズティシューを持ち上げずに、ティシューの裏側で液体が蒸発する程度の速さで、光学部品全体にレンズティシューをドラッグします。こうすれば、筋が残りません。このステップで汚染が排除されないときは、ステップ3に進みます。

注:
光学部品クリーニングキットに供給されているレンズティシューまたは他の高級レンズティシューのみを使用してください。

試薬用アセトンを勧めます。

[このメソッドは、マウント光学部品には使用できません。]

ステップ3-並の汚染に対する程よい手入れ(唾液、オイル)

未使用の綿棒か脱脂綿を白の蒸留酢で湿らせます。軽く押しながら、湿らせたコットンで光学面を拭きます。余分な蒸留酢を清潔な乾いた綿棒で拭きます。綿棒か脱脂綿をアセトンで直ちに湿らせます。光学面をゆっくり拭いて、酢酸を取り除きます。このステップで汚染が排除されないときは、ステップ4に進みます。

注:
軸が紙製の100パーセントコットンの綿棒のみ使用してください。

組み込まれた研磨剤で取り除くために選別されている高級脱脂綿のみを使用してください。

6パーセントの酢酸を含む白い蒸留酢を使用してください。

[マウント光学部品に必要な追加のステップはありません。]

ステップ4-極度に汚染された光学部品に対する念入りな手入れ(はね)

注意:ステップ4は、新規または未使用のレーザー光学製品には絶対に実施されません。このステップは、使用後極度に汚染された光学部品で、これまでに言及したステップ2か3で満足な結果が得られなかったものに対してのみ実施されます。

薄膜コーティングが取り除かれると、光学部品の性能は使えなくなります。色の目に見える変化は、薄膜コーティングが消失したことを意味します。

極度に汚染した不潔な光学部品に対しては、吸収される汚染膜を光学部品から取り除くために、光学研磨混合物を使う必要があります。

A.
研磨混合物の容器を開ける前に、よく振ります。研磨混合物を4-5滴脱脂綿に注ぎます。部品全体に円を描くように脱脂綿をゆっくり移動してきれいにします。脱脂綿を押し付けないでください。脱脂綿自体の重さで表面全体にドラッグしてください。圧力がかかりすぎると、研磨剤が直ちに光学部品の表面にかき傷をつけます。1方向で磨き過ぎないように、光学部品を頻繁に回転してください。この方法で30秒以内で光学部品を手入れしてください。このステップを実行中に、光学部品の表面の色が変化したことに気づいたら、直ちに研磨を停止してください。この色の変化は、薄膜コーティングの外側の部分が腐食していることを示しています。

[マウント光学部品では、光学面全体を均一に手入れするには、脱脂綿の代わりにふわふわした綿棒を使用しなければなりません。]これは、特に直径が小さい光学部品に対して当てはまります。綿棒を使うときは、圧力をかけないように注意してください。

ふわふわした綿棒について、未使用のものを使用し、異物が含まれていない柔らかい気泡の上で前後にこすります。

ステップ4(続き)

B.
研磨剤を使った後は、未使用の脱脂綿を蒸留水で濡らし、光学面をゆっくりふき取ります。表面を完全に濡らして、できるだけ多くの研磨剤の残留物を取り除きます。光学面を乾かさないでください。乾かすと、残りの研磨剤の除去がさらに難しくなります。

[マウント光学部品に対しては、ふわふわの綿棒に代えることができます。研磨剤の残留物をできるだけ多く取り除いてください、特に、マウントのエッジでは念入りに取り除いてください。]

ステップ4(続き)

C.
ふわふわした綿棒をイソプロピルアルコールで手早く濡らし、光学面をゆっくりと完全にきれいにしてください。研磨剤の残留物を取り除くには、綿棒で表面全体を処理してください。

注:
光学部品が2インチ(約3.1センチ)かそれ以上の場合、このステップでは綿棒の代わりに脱脂綿を使うこともあります。

[マウント光学部品については、光学部品の中央に綿棒を置き、部品のエッジに向かって外側に動かしながらきれいにします。]

ステップ4(続き)

D.
ふわふわした綿棒をアセトンで湿らせ、残っているイソプロピルアルコールと研磨剤を取り除いて光学面をきれいにします。アセトンで最後の手入れを行っているとき、光学部品全体に綿棒を軽くドラッグして、表面全体がふき取られるまで重複して拭きます。綿棒をゆっくり動かして最後のひとふきをし、綿棒が通った後光学面のアセトンが直ちに乾くことを確認します。こうすると、表面の筋が消えます。

[マウント光学部品では、アセトンで湿らせたふわふわした綿棒で、部品の中央からはじめ、エッジに向かって外側に円を描くように動かします。アセトンで湿らせた新しい綿棒を使用し、研磨剤の残余物を取り除くために、光学部品の外側の周りでマウントに対して実行します。必要に応じてこのステップを数回繰り返し、綿棒が表面から離れるとき、部品のエッジに研磨剤の残留物が残っていないことを確認します。]

[マウント部品では、表面、特に外側のエッジから残留物の跡を完全に取り除くのは不可能です。研磨剤の残留物が、光学部品の中央ではなく、もっとも外側のエッジに沿って残るようにしてください。]

まとめ

最終ステップでは、黒の背景の前でよく照らされたライトの下で光学部品の表面を念入りに検査します。目に見える研磨剤の残留物があれば、4B-4Dのステップを必要な回数繰り返して取り除きます。



金属のはね、穴などの汚染物質や損傷は取り除けません。光学部品に、上述の汚染や損傷が見られるときは、取り替える必要があるかもしれません。