例1:
レンズの焦点距離が決まっている場合に、最適な入射ビーム径を求める
レンズの焦点距離が、システムの機械的条件によって、制限されることがよくあります。たとえば、集光レンズから被加工物までの距離に下限値が設定されていることがあります。こうした状況では、システムの機械的条件を満たす焦点距離を持つレンズをまず選び、最小スポット径を達成するような入射ビーム径に調整します。
最小スポット径をもたらす入射ビーム径を求めるには、スポット径の方程式を、入射ビーム径が解となるように変換し、最小値を求めるため、スポット径をゼロとします。これにより、方程式は次のようになります。
前述の例を見てみましょう。焦点距離が5インチ(127mm)に設計されたZnSe製メニスカスレンズを用いたときの最適な入力ビーム径は、26ミリという結果が得られます。この値をスポット径の方程式に挿入すると、「スポット径の決定」セクションでグラフを読み取った時と同様に、スポット径は86µmとなることがわかります。焦点距離が5インチのZnSe製平凸レンズの場合は、最適な入射ビーム径が24ミリで、スポット径は96µmとなります。
この計算で得られた入射ビーム径が、システムの実際のビーム径に近似していない場合、ビームを計算で得られたサイズに拡大もしくは縮小して下さい。ビームの拡大及び縮小は、エキスパンダー/コンデンサーを使用するか、または個別のレンズを利用してビームエキスパンダー/コンデンサーを作って行います。
例2:
レンズへの入力ビーム径が決まっている場合に、最適な焦点距離を求める
システムのビーム径を変更することが不可能、または好ましくない場合には、最小スポット径をもたらす焦点距離がいくつであるかを知っていると便利でしょう。
最小スポット径をもたらす焦点距離を求めるには、やはり前述のスポット径の方程式を用います。今度は焦点距離が解となるように変換し、最小値を求めるため、スポット径をゼロとします。これにより、方程式は次のようになります。
最適な焦点距離がわかったら、その値に近い焦点距離を持つレンズを在庫から選択して下さい。もしそれがより重要なアプリケーションであるならば、II-VIは正確な焦点距離と要求公差を持つ光学部品を短期間で製造することが可能です。
これまでの解説でわかるように、スポット径には、焦点距離または入射ビーム径による制限があります。もし計算によって得られる最小スポット径が実際のアプリケーションに必要なスポット径より大きいのであれば、光学システムのパラメーターをいくつか変更しなければなりません。
注記
高出力の炭酸ガスレーザーにおいて、ビーム径(1/e2)の1.5倍より大きい直径を持つレンズの使用は一般にお勧めできません。これより比率が大きくなると、レンズが熱歪みを起こす可能性が高くなります。加熱された中心部分と冷却された縁の部分の距離が離れて、レンズの直径方向における温度勾配が大きくなるためです。
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